2022.03.01 音声認識

ビジネスにどう役立てる?音声認識の利用シーン5選

音声認識の利用シーン アイキャッチ

 

音声認識とは、人間が発した言葉をコンピュータに取り込み、自動でテキスト化する技術のことです。音声をテキスト化する過程で、AIやディープラーニングの技術が用いられています。近年は、音声認識の実用化が進み、日常生活やビジネスの場で広く活用されているようです。業界や職種に特化した音声認識サービスも次々と出現し、とくにコールセンターでは、顧客満足度の向上や業務効率化に役立てられています。

この記事では、音声認識で可能なことを踏まえ、ビジネスにおける音声認識の利用シーンを紹介します。あらゆる利用シーンを知ることで、音声認識を活用するヒントを見つけてください。

音声認識で可能なこと

音声認識によって可能なことは、主に3つあります。

①音声による指示

音声認識が搭載されたデバイスに対し、音声によって指示を出すことで操作できます。たとえば、Appleのデバイスで利用できる「Siri」が身近な例です。人間が、iPhoneやiPadなどに直接話しかけることで、インターネット検索ができたり、電話帳の連絡先を検索できたりします。また、音声認識対応のエアコンやテレビのスイッチの操作も、音声による指示で可能です。

②人間との会話

音声認識が搭載されたデバイスなら、人間との会話が成立します。音声認識に用いられている、AIやディープラーニングの技術により、デバイスが人間らしい自然な応対をするのです。「Google Home」や「Amazon Echo」などのスマートスピーカーが代表的なツールで、好きな音楽を再生したり、アラームをセットしたりすることもできます。

③文字起こし

従来音声をテキスト化するには、ボイスレコーダーなどで収録した音声を、手作業でテキスト化しており、非効率かつ労力がかかることでした。しかし、音声認識なら、自動で音声をテキスト化することが可能です。音声が流れるのとほぼ同じスピードでテキスト化ができるほど技術が発展しています。

ビジネスでの利用シーン

スマートスピーカーをはじめ、日常生活でも活用されている音声認識は、ビジネスでどのように利用されているのでしょうか?ここでは、主な利用シーンを5つ紹介します。

コールセンター

コールセンターでは、音声認識を顧客満足度の向上と業務効率化に役立てています。膨大な録音データを分析して、よくある質問内容を一元化したり、クレーム対策に活用したりすることが可能です。顧客とのやり取りがテキストデータとして残るため「カスハラ(カスタマーハラスメント)」の証拠として活用する動きも進んでいます。

宿泊・娯楽施設

宿泊や娯楽施設など、顧客に「おもてなし」を提供する場においても、音声認識が利用されています。宿泊施設は、顧客のニーズに寄り添った、質の高いサービスが求められる場所です。そのためには、顧客情報の共有が欠かせません。顧客と従業員、また従業員同士のやり取りを、音声認識によってリアルタイムでテキスト化すれば、迅速な情報共有が可能になります。

病院

病院では、音声認識によってデータ入力が行える電子カルテの導入が進んでいます。
医療分野に特化した音声認識ソフトを使えば、専門用語も正しく入力されるため、入力ミスを防ぐことも可能です。コンピュータの操作が苦手な方でも、音声で入力できるので業務効率化が図れます。

翻訳

観光施設や美術館、自治体窓口などでは、自動翻訳のニーズが高まっています。音声認識は、あらゆる言語の音声をテキスト化することが可能です。たとえば、リアルタイムで中国語の音声を日本語のテキストに変換できます。多言語対応ができる従業員が不在でも、音声認識を使うことで、サービス品質の向上が可能です。

議事録作成

従来の議事録は、ボイスレコーダーの音声を、手作業で文字に起こして作成していました。会議が終わってから議事録の作成に取り掛かるため、議事録の共有までに時間を要することも多いです。しかし、音声認識は、リアルタイムで文字起こしができるので、会議終了と同時に議事録がほとんど完成している状態になります。人の手で多少の修正を加える必要があっても、大幅に手間を省くことが可能です。

音声認識の課題

あらゆるビジネスシーンでの実用化が進んでいる音声認識ですが、解決しなければならない技術的な課題があります。
ここで紹介する課題を認識したうえで、ビジネスに導入するかを検討することが大切です。

音声の聞き分けが困難

音声認識に複数人のやり取りを収録した場合、誰の発言かまでは、十分に聞き分けられません。

標準語以外の認識が困難

方言や流行りの言葉、スラングなどについては、正確に認識できる言葉とそうでない言葉があります。

音声認識の利用シーン まとめ

コールセンターをはじめ、ビジネスのあらゆる場所で音声認識の利用が進んでいます。
今後は、業界や職種に特化した音声認識のさらなる開発が進む可能性が高いです。
技術的な課題が残っていますが、ビジネスを効率よく進めるのに役立つツールなので、ビジネスの課題に合わせて導入を検討してください。