2022.03.02 セールス

営業力強化に役立つ!音声認識を使った営業活動での会話分析とは

営業活動で音声認識を活用 アイキャッチ

 

営業活動での会話分析に、音声認識を活用する動きが進んでいます。音声認識とは、人間が発した言葉をコンピュータに取り込み、自動でテキスト化する技術のことです。これまでも、商談内容をボイスレコーダーなどで録音し、文字起こしをして振り返りに役立てていた企業は多いでしょう。「売れる営業パーソンの話術」や「顧客満足度の高いコールセンターの応対」などといった、成果を出すための法則を導き出すことが可能でした。

しかし、録音した音声を手作業でテキスト化し分析するのは、多大な労力が必要です。
本来の営業活動に注力するために、音声をテキスト化する過程で、AIやディープラーニングの技術を用い、会話分析のヒントを提供してくれる音声認識が普及しています。

この記事では、コロナ禍でこれまで以上にニーズが高まっている、音声認識を使った営業活動での会話分析について、普及の背景や活用メリットについて紹介します。

コロナ禍における営業現場の課題

新型コロナウイルスの蔓延により、社会全体でリモートワークが浸透しています。

企業間のやりとりも、ウェブ会議システムを用いたオンライン商談が増加しました。対面での営業がなくなったわけではありませんが、複数人で企業を訪問する機会は減っています。これまで当たり前のように行われていた、上司が部下の商談に同行し商談の進め方や内容に対してフィードバックをすることが、依然として難しい状況です。

訪問営業でも電話営業でも、営業活動は顧客との会話によって成り立ちます。担当者のコミュニケーション力を高め、より質の高い営業活動を目指すとしても、教育担当や管理者が、商談の全容をなかなか把握できません。実際のところ、営業活動での会話がブラックボックスとなり、有効な施策を打ち出せずにいる企業は多いでしょう。

質の高い営業活動を目指す上で、営業担当者が顧客に対して「どのように話したか」は、「何を話したか」に並ぶ重要なポイントです。ただし、商談後に上司に報告できる内容は、営業担当者自身の所感であり、どのように話したかを伝えるには限界があります。そこで、音声認識を使った会話分析によって「どのように話したか」を明らかにし、営業担当者のパフォーマンスを高める動きが進んでいるのです。

営業活動における音声認識の活用ポイント

では、営業活動において、音声認識による会話分析は、どのように役立つのでしょうか。営業担当者自身、そして管理職が抱える課題解決に有効な施策となりうるのか、活用ポイントを解説します。

 

データグラフ イメージ

録音データのテキスト化による商談内容の可視化

分析のベースとなる音声データは、録音したデータを音声認識サービスに取り込んだり、商談の際に音声認識サービスを立ち上げ、直接録音したりすることもできます。
いずれの場合も、録音した音声データのテキスト化によって商談内容が可視化され、商談の全容が明らかになります。また「はい」「ええ」など、相槌についても可視化できるため、話し方の癖を見つけることにも有効です。可視化によって、漠然と商談内容を振り返るのではなく、テキストを基にした振り返りが可能です。

営業担当者のスキルに関する定量的な評価

営業担当者の話し方について、どのように評価し、教育すればよいかわからない管理者は多いです。テキストベースの商談内容では、話し方までわかりませんが、音声認識サービスは、取り込んだ音声データをAIが分析し、話すスピードや口癖、相槌の回数などを数値やグラフを用いて定量的に評価します。
 定量的な評価を組織の平均値やトップセールスと比較すれば、営業担当者の課題が明らかになり、解決の方向性を見出しやすくなります。また、定量的な評価がベースであれば、管理者からのフィードバックへの納得感も高まるはずです。

組織の営業力強化

管理者は、組織内の営業担当者の評価を比較し、個々の課題のみならず組織としての営業面での課題を把握することができます。
これまで属人的なスキルであったトップセールスの商談内容や話し方、成約に至った成功事例を共有することも可能です。
 また、音声認識による会話分析から明らかになったトップセールスの営業スキルは、新人研修にも役立ちます。上司の商談に同席させなくとも、録音データとテキストデータ、そこから抽出された定量的な評価をもとに、トップセールスの商談を提示できるからです。新卒採用でも中途採用でも、即戦力として活躍できる営業担当者を、いち早く育てるのにも音声認識が活用されています。

営業活動での会話分析 まとめ

この記事では、音声認識を使った営業活動での会話分析について、普及の背景や活用ポイントについて紹介しました。
音声認識による会話分析は、営業担当者・管理者・組織のいずれにもよい効果をもたらします。営業力強化に特化した音声認識サービスもリリースされているので、活用のポイントを意識しながら検討を進めてください。