2024.04.18 セールス

顧客満足度の向上:取り組みの手法や成功の秘訣を紹介

顧客満足度の向上は、企業にとって重要な課題の1つです。
しかし、改善の実績がほとんどなく、具体的な方法や取り組みを知らない企業の経営者・担当者の方も少なくないでしょう。

そこで、顧客満足度の向上を目指すために欠かせない、取り組みの必要性や手順、ツールの活用、成功事例などについて解説します。

顧客満足度向上とは

ビジネスで登場する概念に「顧客満足度」があります。「顧客満足度(CS;Customer Satisfaction)」とは、企業が商品やサービスを提供する顧客にどの程度の満足を得られているかを測る指標のことです。

そのため、顧客満足度の向上は、顧客満足度を高めて、顧客のロイヤリティ(忠誠心、愛着)やLTV(顧客生涯価値)、顧客単価などを上げることを目指す取り組みのことです。どれだけ上げることができたかによって、後述する指標や評価方法から満足度を判定できます。

顧客満足度向上の必要性

顧客満足度の向上は、先述の通り、顧客のロイヤリティ向上や売上に直結します。営利企業にとって、事業を続けるために必要な中・長期的な売上のアップや知名度向上、リピーターの定着は至上命題です。

ようするに、顧客満足度の向上は企業にとってさまざまな目標を達成するために避けては通れません。もし顧客満足度向上が見られない企業は、顧客から信頼も得られにくく、新規顧客を獲得しにくくなります。その結果、売上の減少にも繋がります。

顧客満足度向上の方法とステップ

顧客満足度の向上は、具体的な方法とステップをもとに進める必要があります。そこで、以下に有効な手段と手順を解説します。

【顧客満足度向上の方法】
顧客満足度を高めるには、以下のブランディング手法や商品・サービス改善、企画段階での十分な検討が挙げられます。

・商品・サービスの質向上
・競合他社商品との差別化(企画時から)
・カスタマーサポートの充実
・オウンドメディアの展開
・ツール導入による業務の効率化

企業の工夫で商品の使い勝手やサービスのクオリティ、ニーズと合致すればそれが満足度にあらわれます。また、競合他社商品との差別化は、価格競争をせずに自社商品に対して価値を高めるブランディングの有効な方法です。

安さではなく、独自感や他にはない機能性、対象ユーザー層を固定する(40代女性の~な人などペルソナの明確化)などで差別化することです。

それから、カスタマーサポートの充実は、商品やサービスに対して問い合わせてきたユーザーに丁寧でわかりやすい対応をすることで、商品自体への評価が中だったとしてもその企業全体のサービスとして高い満足度を得られることがあります。特に、中小企業のように予算が限られていて、優秀な人材をあまり獲得できない会社では、商品・サービスが平凡化しやすいため、別のアプローチから満足度を高めるのです。

もちろん、これらをトータルに実施し、全体的に顧客満足度向上を狙うのがおすすめです。

多忙で業務に集中できずに「満足度の改善に十分な力を入れられていない」「専門の人材がおらず正確な分析ができていない」などのケースでは、マーケティングツールなどを導入して改善を図りましょう。

【顧客満足度向上までのステップ】
顧客満足度向上の大まかな手順は以下です。

1.実態を知る(アンケート調査)で現時点での顧客満足度を知る)
2.顧客満足度向上の方法を取り入れる
3.満足度(改善)の結果を確認する
4.改善が見られればそのまま継続、なければ再び方法を再検討する(1.~3.の繰り返し)

上記を説明すると、まずはアンケート調査で現時点の顧客満足度を知ります。次に、顧客満足度向上のために、商品・サービスの改善やツール導入などの方法を実施することです。その方法が有効だったかを知るためには、結果を確認します。

結果が十分でなければ方法を再検討する形でPDCAを回します。このとき、既存商品・サービス以外の満足度を高めやすい顧客の獲得を狙うことも忘れないようにします。

価格競争で簡単に離れてしまうユーザーではなく、確実に自社商品を買ってくれるファンやリピーターを育成するのがおすすめです。これにはCRMやSFAのツールが有効です。以上、現状を正しく分析し、改善方法を模索しましょう。

顧客満足度向上を支える取り組みとツール

顧客満足度向上にはさまざまな知識やノウハウが必要です。特に、改善点を知るためのデータ整理や分析などのスキルも求められます。

そこで、顧客満足度向上を支える取り組み(アンケート)やスキルをもつ専門人材のいない企業でも使えるツール(CRM、SNS、SFAなど)について紹介します。

・CRM
CRM(Customer Relationship Management)は、「顧客関係管理」の略語で、顧客をリピーターやファンに育成して関係を作り上げるマーケティング手法の1つです。例えば、登録ユーザーや購入者に対して、お礼クーポンや挨拶メールの送付、キャンペーンの連絡などを優先して行います。

手動でもCRMの実施はできますが、CRMツールを導入することで顧客の情報を蓄積・分析の上でサポートし、関連した業務を効率的に行うことができます。顧客と関係を築くことで、顧客満足度向上も狙えます。

CRMについて下記記事にもまとめています。

【何ができる?選び方は?顧客管理システム(CRM)の基礎基本】

・SNS
近年、企業活用が増えているものにSNSがあります。SNSとは、「ソーシャルネットワーキングサービス」(Social Networking Service)の略で、Facebook、Twitter、Instagram、TikTok、YouTubeなどが代表的です。特に動画系のSNSは、新型コロナウイルスを経験したことで全体ユーザー数の底上げが起こり、企業参入も急速に増えつつあります。

顧客満足度向上に必要なブランディングの方法としてSNSを使うのはもちろんのこと、広告や顧客とのコミュニケーションの場として機能することです。具体的には、コメント欄やメッセージ、通知の機能活用などです。

動画系以外の通常のSNSでも、TwitterやInstagramのように情報提供を行い、フォロワー数やいいねを増やして信頼関係を築くことができます。広告出稿やテレビCMなど広報予算が足りない小規模な企業や個人事業主にとっては、費用をかけず集客に使えるツールです。

・SFA
SFAは、「営業支援システム」(Sales Force Automation)の略で、営業の業務をサポートするために導入される手法です。案件単位で導入されることが多く、MA(マーケティング・オートメーション)のように営業を自動化することに主眼があるのではなく、あくまでもチームで考え方や知識を共有して、顧客との関係性に活かすことが狙いとしてあります

SFAツールでは、営業をトータル支援するための機能が搭載されており、導入することで営業のプロが少ないいない企業でも高度な営業アプローチができます。

・アンケート
アンケートは、顧客満足度や従業員の忠誠心の計測、商品・サービスの事前調査をするための手段です。そして、最終的にアンケートは、顧客満足度向上のために行われる取り組みの1つです。事前のアンケート調査後に企画設計することで顧客ニーズを正確に知り、商品・サービスに反映することができます。

・CTI
CTIは顧客満足度向上に直結する具体的な手段です。CTIとは、「コンピュータ技術情報」(Computer Telephony Integration)の略で、電話業務の効率化をするために必要なコンピュータとソフトウェアを結びつけた、コールセンターなどの顧客対応業務を効率化させる方法を意味します。

オペレータは、コンピュータ上で顧客の個別情報を確認しながら対応できるため、スムーズな問い合わせが可能です。顧客満足度向上に直結するカスタマーサポートのサービスのクオリティ向上にも繋がります。

CTIについて、下記記事にもまとめています。

【電話の応答システムとクラウド化で注視されるCTIを紹介します】
【CTIの活用とは?店舗における成功のポイントと事例を解説】

また、弊社製品の「応対力」の機能も併せて御覧ください。
https://www.optsp.co.jp/outairyoku

顧客満足度向上のための指標と評価方法

顧客満足度は、企業の現状を探るために最適な指標と評価方法を採用することが求められます。しかし、意見聴取(自由書き取り)のアンケート票を配って結果を出すものを思い浮かべる人も多いかもしれません。実は企業が顧客満足度を計測する場合は、すでに専門の調査者によって確立された指標・評価方法が存在しています。

以下に4つの代表的な方法を紹介します。

・NPS®️
NPS®(Net Promoter Score)は、顧客のロイヤリティを計測する指標の1つです。Net Promoter Scoreは、「正味推奨者比率」と直訳されます。簡単に言えば、「ユーザー(顧客)が周囲の人間に商品をすすめる割合」のことです。

評価点を10点に分けて、その中に基準点を設けます。例えば、6点までは批判者、7・8点は中立者、9・10点は推奨者とします。その上で、推奨者の割合から批判者の割合を引いたものがNPS®の評価数値です。

・CSAT
CSAT(Customer Satisfaction Score)は、「顧客満足度スコア」のことで、企業が商品・サービスに対する顧客満足度を測定するための指標です。一般的には、顧客に製品やサービスに対する満足度を1から5のスケールで評価する形式の質問をして、その結果を集計し、CSATスコアを算出します。

例えば、「(とても)不満」1~2、「普通」3、「(とても)満足」4~5といった、数字と言葉を組み合わせたものです。顧客満足度向上を目指すには、結果を分析して、低いCSATスコアを改善することが必要です。

・CES
CES(Customer Effort Score)は、「顧客努力指標」を指し、顧客が商品・サービスを入手・利用するためにかけた時間や労力をあらわす指標のことです。主にアンケート形式で、直接質問し、選択方式で選ばせる方法となります。例えば、ストレスがかかった購入までの過程やネガティブな要素を質問や選択肢に混ぜて選ばせることで集計結果を分析できます。質問は、自由度が高いため、経営者や担当者が指標になるように作ってアンケートを取るのが通例です。

・JSCI
JSCI(Japanese Customer Satisfaction Index)は、日本産業向けにカスタマイズされた「顧客満足度指数」(SCI)の指標です。独自の指標「推奨意向」(商品を周囲に推めたいか)を加えて、6つの項目を設定し、1項目につき数個(3~4)の質問を行います。

1.推奨意向
2.顧客期待値
3.顧客不満度
4.顧客忠実度
5.知覚品質
6.知覚値

これらを0~100点で評価してその平均を出し、実際の数値から先に評価した期待値を引くことで結果が出ます。

導入事例:顧客満足度向上に成功した企業

成功事例には、NTTラーニングシステムズ株式会社があります。
この会社は、アンケートで顧客満足度の正確な現状を確認し、CRM・SFAツールを導入することで営業状況を見える化します。その結果、顧客へのスムーズな対応と業務効率化を実現しています。副次的な効果として、顧客満足度も高まり、満足度低下の抑止と低値の改善を果たしたのです。

従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)と顧客満足度の関係

企業が社会全体として従業員満足度と顧客満足度はどちらも高いほうが喜ばしいことです。しかし、それぞれの項目としてみた場合、従業員満足度と顧客満足度の関係が上手く結びつかない人も少なくないでしょう。

なぜなら、働き手としての満足度と顧客が得る満足度は別のところに到達点があるからです。従業員はやりがいや給与などの条件、顧客は商品の良さやカスタマー対応に主眼があります。

ところが実は従業員満足度と顧客満足度の関係は深く、従業員のやる気が高ければ目に見えない部分で顧客対応のクオリティに反映されていたり、業務の効率化にも繋がります。その結果、顧客満足度の数値も上がるため、両者は互いに関係しているのです。

顧客満足度向上への取り組みとは

最後に、顧客満足度向上への取り組みを確認しましょう。顧客満足度向上に直結しやすいのが「接客の方法」です。接客の方法に重点を置く理由としては、顧客との接着点が電話対応やカウンター対応といった直接対話の現場で起こりやすいからです。そこで、顧客満足度を上げる接客の方法が求められます。

 

顧客満足度を上げる接客の方法とは

顧客満足度を上げる接客に求められるのが、顧客情報を生かしたスピーディかつ柔軟なカスタマー対応や挨拶マニュアル、クレーム処理などです。

電話の場合は言葉の内容だけでなくイントネーションや明るさ、感謝の気持などが伝わりやすく、カスタマーサポートの質がそのまま顧客満足度に直結します。また、対応の迅速さや問題解決の的確さなど、不満が少なく、顧客が十分に満足して電話を切る・店を出るまでの過程で最善を尽くすことが接客として良い方法です。

電話の応対を向上させて、業務の効率化を図るには通話の録音を活用するのも一つの方法です。
弊社の通話録音システムは固定電話、携帯電話共に録音することが可能です。

弊社の録音システムの詳細は下記を御覧ください。
https://www.optsp.co.jp/product/flexlog.html