2023.08.02 電話

電話の応答システムとクラウド化で注視されるCTIを紹介します

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着信電話を最新のICT機器を介することで、人的資源で運営されていた電話応対の業務負荷を軽減して、業務効率化を実現できるようになっています。コールセンター・サポートセンターは、24時間365日の対応が可能になります。その効果により企業の顧客満足度がアップさせるといわれています。これから電話の自動対応システムとは何か?クラウドコンピューティング化で注視される「CTI」システムを紹介していきます

電話の応答システムとは?

着信電話の応答システムは、企業・団体が受電したときに自動的に応答するシステムのことをいいます。
当該機能の導入で、業務の効率化と顧客サービス向上(顧客満足度アップ)の効果があります。

電話の応答システムは「IVR」「音声ガイダンス」「自動応答」の3分類されています。

第1に導入実績が多い機能が「IVR」です。
「IVR」とはInteractive Voice Responseの頭文字3文字で構成される略所です。音声案内による自動応答の設定する機能です。具体的には、コールセンター・サポートセンターに電話を掛けると「お申込みについては1を、変更約については2を」などの音声が流して、お客様に番号を押してもらう機能です。
複数の選択肢を設定することで、オペレーター業務の負担軽減につながります。お客様に番号を選択してもらうことで、事業部・営業店等に着信先を振り分ける機能があります。

第2に「音声ガイダンス」機能です。
「音声ガイダンス」は、着信したときに、自動音声を流すシステムです。営業時間・休業の案内メッセージに利用されています。
また、「現在電話がたいへん混み合っています。このままおまちいただくか、時間をおいてお掛け直しいただきますようお願いいたします。」などのメッセージを流します。みなさん何度か経験されたことがあるとおもいます。

第3に「自動応答」です。
「自動応答」は、発信者との応対をオペレーターから人工知能(AI)に置き換えた仕組みです。人工知能(AI)により高度な応対が可能になっています。例としては、銀行口座の残高照会などの定型的なやり取りを自動で完結させることが可能です。
さらにこの応対はオペレーターが担いませんので、営業時間の制約がないことが特徴です。

電話の応答システム導入によるメリットを紹介

電話の応答システム導入のメリットを3つ紹介します。

第1に「人件費の削減や業務効率向上につながる」ことです。
当該システムを導入することで、人的資源であるオペレーターが応対する業務を削減することができます。
前章で紹介しましたが、銀行口座の残高照会業務をシステム化することで、オペレーター業務が削減できます。企業・団体は電話対応の業務に費やす人件費の削減効果があります。
慣習化されている人材不足の解消と、教育・OJTの費用が削減できるでしょう。
専用のコールセンター・サポートセンターを設けていない企業・団体は、担当部門の従業員が受電します。受電することで、本来の業務を停止させて電話応対することになります。受電した内容によっては対応に時間を要することもあり得ます。当該システムの導入で、従業員が本来の業務に集中できます。
結果的に業務の効率化と生産性の向上を図ることにつながります。

第2に「営業時間外の電話対応ができる」ことです。
当該システムの導入で、企業・団体は営業時間・営業日にとらわれずに、着信対応が可能になります。お客様から「話中」でつながらないことを削減することが可能です。
また、この数年はテレワークに対応できるシステムが整い始めました。企業・団体への着電をテレワーク先に転送する機能があります。但し、代表電話番号ではできません。

第3に「顧客満足度の向上につながる」ことです。当該システムを導入していないとき、お客様は、代表電番に用件を説明してから、担当部門へ電話を回してもらいます。担当部門で担当者に用件を再度説明する流れになります。
もし、担当部門で扱っていないときは別の担当部門へ「たらい回し」されて用件を何度も説明する流れになります。筆者自身も経験がありますが、面倒になり電話を切ってしまうこともあります。用件が解決しないまま放置することにつながります。例えば、用件がリコール対象製品のケースは大事故につながりかねません。
しかし、当該システムを導入していれば、用件に適した担当部門に「たらい回し」になることなく、円滑につながります。「たらい回し」されずに迅速な応対を受けるので、お客様は満足します。
迅速な電話1本の応対が積み重なると「顧客満足度」がアップすることにつながります。
前章で紹介しましたが、銀行口座の残高照会は自動応答化されています。話中でオペレーターにつながらない状況が緩和されるので「顧客満足度」が向上します。

電話の応答システム導入時の注意点

業務効率化・顧客満足度向上につながる、電話応答システムですが、システムを導入するとすべてが解決することではありません。システム導入前に、自動化する範囲をきめておくこと、自動化できないケースのフローチャートを決めておくことが肝要です。

まずお客様が満足するために自動化する範囲をきめておくことです。
今までの問い合わせ履歴から、お客様からの電話問い合わせが多い用件を自動化できるよう範囲設定をしておきましょう。

たとえば、「製品の発注」「保証期間内の修理」「返品・交換」「取説に記載されている範囲のメンテナンス方法」「消耗品の発注」「付属品の注文」「その他のお問い合わせ」のように用件をきめて、番号設定して応対システムに取り入れましょう。
お客様に用件の分類がわかり易くすることで、オペレーター負荷が軽減されるでしょう。用件の分類が曖昧であると「その他のお問い合わせ」件数が増えるので、他社の導入事例やベンダー企業SSの事例を参考にするといいでしょう。

自動応対システムは、決めた範囲設定で終了ではありません。定期的に利用頻度を精査・確認をして、カスタマイズしていくことも重要です。
カスタマイズを何度か繰り返すことで、業務効率化と顧客満足度が向上されていくでしょう。

次に複雑な用件やレアケースの用件はシステム化の範囲にせずに「その他のお問い合わせ」に設定しましょう。
半年に数件~年に1回程度の用件はシステム化範囲から外しましょう。お問い合わせの頻度が低い用件はシステム化すると工数と費用が発生します。
システム化の範囲は定形的な用件に限定することで、コールセンター・サポートセンターのオペレーター業務は大幅に削減されるでしょう。レアケースの用件は、ベテランオペレーターに任せるようなシステム設定とフローチャートを決めておくことが重要です。

クラウドコンピューティングで利用できる「CTI」を紹介します

クラウドコンピューティングで利用できる「CTI」システムの機能を紹介します

CTIシステムは、着信したときに、相手の名前や過去の通話情報を確認できる機能があります。
CTIシステムの主たる機能を紹介します。

第1に「ポップアップ機能」です。
着信した電番を基に顧客管理データベースから属性や応対の履歴をパソコンにポップアップさせる機能です。電話応対の時間を短縮できるため、顧客満足度を向上できます。

第2に「着信履歴です。」私用の携帯電話に実装されている着信履歴の機能と同じです。保存件数が実質無制限だったり検索・並び替えができたりします。

第3に「通話録音機能」です。
通話内容をデータとして保存できる機能です。「言った・言わない」のトラブルを防げるほか、通話データを分析すれば顧客対応を改善できます。両者の話した内容を録音できるため、「全通話録音機能」のような名称で呼ばれることもあります。

第4に「着信電話均等振り分け」機能です。一人のオペレーターに電話が集中しないよう、複数のオペレーターに電話を均等に振り分ける機能です。転送と同時に顧客情報も渡せるので、急に転送されても対応できます。

第5に「IVR(自動音声応答機能)」です。IVRは、営業時間外や電話回線が混み合っているときに着信を受けると、自動音声につなぐ機能です。呼び出しコールが鳴り続けるのを防ぐことで、顧客の不満を抑えられるでしょう。また、ボタンで発信者に操作させるタイプの機能のことも指します。

第6に「モニタリング機能」です。モニタリング機能とは、管理者がオペレーターの稼働状況や通話内容を確認できる機能です。トラブルが起こった際に管理者から指示を出す用途として利用できます。

CTIシステムの種類を紹介します

第1に「オンプレミス型」です。
オンプレミス型は社内のイントラネット環境下で構築する方式です。
現行の基幹システムのサブシステムとして基本設計からシステム開発を行います。受注生産のカスタムメイドですので見合った開発費用を要します。
しかし、現行の社内システムとの連携がスムーズである利点があります。

第2に「クラウド型」です。クラウドコンピューティング・サービス型が市場に広がりをみせているので、導入を検討する企業・団体が増えているようです。
クラウド型は社内にサーバーを設置しないで、CTIを提供しているベンダーのサーバーにインターネットを介して接続します。接続したベンダーが提供する機能やサービスを利用する方式です。インターネット環境があれば、導入コストを安価に抑えて利用できます。
さらに社内にサーバー機を設置しないので、管理費用・人件費を抑制することができます。

電話の応答システム まとめ

企業・団体のコールセンター・サポートセンター業務では、人的資源であるオペレーターが応対しています。電話の応答システムを導入するとオペレーターの負荷を軽減することができます。加えて、業務の効率化・人材コストの削減・顧客満足度アップのメリットがあります。
近年は、慢性的な人材不足のなかで、オペレーターの定員を揃えてことは難しい環境になっています。システムを導入することで人的資源補充が不要になるでしょう。さらに、クラウドコンピューティングを介した「CTI」が注視されています。
システム導入には費用が掛かりますが、人材コスト軽減効果があります。費用対効果を勘案して検討しましょう。