オフィスでの電話回線の選び方とは?種類や選ぶポイントを解説
オフィスの電話回線を選ぼうとしている方の中には「オフィスでの電話回線は何を基準に選べばよいのか分からない。回線の種類や選ぶポイントについて知りたい。」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
当記事では、このような悩みを解決していきます。
記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みを解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
それでは解説していきます!
オフィスの電話回線を選ぶポイント
オフィスの電話回線を選ぶポイントは、以下4つです。
回線種類
オフィスで電話回線を選定する場合、回線種類について確認が必要です。
電話回線の種類については、この後詳しく解説しますが、アナログ電話やIP電話等の種類が存在します。
アナログ電話の利用では、インターネット回線と電話回線が必要であり、料金もそれぞれ発生します。
その一方で、IP電話とはインターネットを通じ音声がデータ化される電話の方法です。
光回線が1本あれば、インターネットや電話も利用可能です。
そのため、自社の電話回線では、どの回線種類が最適なのか検討するようにしましょう。
必要機能
オフィスで使う電話回線では、家庭で使う電話と異なり、いくつもの便利な機能が搭載されています。
自社の業務でどんな機能が必要なのか判断し、必要機能が使える電話回線を選定しましょう。
また、あまりに多くの機能が利用できる電話回線の場合、利用でかかる料金も高くなりがちですので、自社にとって必要以上の機能が搭載されていないか、利用できる機能の取捨選択も重要なポイントです。
利用できる機能について、どんなものがあるのか詳しく解説します。
内線機能
オフィスの電話回線では端末機間で利用できる内線機能が搭載されています。
業務を効率させる上で非常に便利な機能が豊富にありますので、内線の利用頻度が高い企業であれば、必要機能を明確にしておきましょう。
内線機能には、以下のような機能があります。
・複数の人数で会議する形で内線が使える「内線会議通話」
・一定回数コールしても応答がない場合に他の内線に転送可能な「不応答返答」
・内戦をかけた相手が話し中の場合にも着信音が鳴る「話中呼出」
・離席している際、内線をかけてきた相手の画面に表示される「不在メッセージ」
このように、内線機能には多くの便利な機能がありますので、どの機能を必要とするのか検討し導入しましょう。
音声自動応答・案内
着電対応を人がするのではなく、あらかじめ録音した音声で対応し、その後に入力するダイヤル次第で案内先を変えられる機能です。
IVRというシステムを使い、ユーザーから多くの問い合わせを受ける企業や、規模が大きなコールセンターの場合は、この機能により従業員にかかる業務の負荷を大きく減られます。
IVRはオプションで使えることも多いですので、自社によって必要な場合は導入し、導入してすぐに使う予定がなくても、今後サービスが成長した際に利用する可能性がある際は、機能の充実性や、追加する際にどの程度費用がかかるのか事前に確認しておくのがおすすめです。
転送機能
受付で代表番号に応じるといった、社内担当者に外線着信を取り次ぐことが多い企業では、標準装備の転送機能だけでなく、業務を効率化できる機能が搭載されているかも検討する必要があります。
転送機能には、以下のような機能があります。
・離席している際、内線着信を携帯電話や他内線に転送可能な「不在転送」
・離席している際に、近くにある席の着電を自分の電話機で応じられる「代理応答」
・外線を保留状態で担当者に内線や転送可能な「保留転送」
こちらも自社にとってどんな機能が必要なのか検討し導入しましょう。
利用する台数・同時に接続できる数
利用する回線次第で、利用できる台数や同時に接続できる数が変わってきます。
自社で導入する電話回線の選定では、利用する電話機の数や、同時にどの程度外線接続するのか把握しておきましょう。
基本的に利用する台数や同時に接続する数が増えれば増えるほど、利用料金も高くなりますので、最適な数を選定するのが無駄なコストをかけないためにも重要です。
しかし、利用する数や同時に接続できる数を、あまりに少なく見積ってしまった場合、業務に支障が発生してしまう可能性もありますので、注意しましょう。
契約種類
電話回線を契約する方法は、大きく分けて4つあります。
1つ目の方法は、新品購入であり初期にかかる費用は最も高くなります。
2つ目の方法は中古品を購入する方法です。
当然ですが、新品購入に比べ初期にかかる費用は安くなり、5分の1程度の価格で購入できます。
3つ目の方法は、リース会社と契約し電話回線を使う方法です。
4つ目の方法は、レンタル会社から電話をレンタルして借りる方法です。
このように、契約種類もさまざまですので、自社の予算等を考慮した上で無理のない契約を結びましょう。
固定電話回線の種類を比較解説
家庭で使用する電話機の場合、アナログ回線を使うのが一般的ですが、1回線で1つしか同時に通話できませんので、同時に複数の通話をする企業で利使うには不向きです。
そのため、企業の電話回線では、光回線やIP電話が使われることが多いです。
また、あまり電話を使わない企業であればアナログ回線やISDN回線を使用することもあります。
それぞれ同時通話可能なチャンネル数が変わってきますので、それぞれが持つ特徴やオフィスにおける使用状況を十分考慮し選定しましょう。
アナログ回線
銅線を使って接続する回線方式であり、家庭用で利用されることの多い回線です。
前述したように1回線で1つしか使えないため、オフィスで使う場合は不向きです。
しかし、比較的に回線が安定しており、停電が発生した場合でも使える確率が高い特徴があります。
そのため、災害発生時のような万が一の場合に備え、回線を一部に限りアナログ回線を使っている企業もあります。
デジタル回線
データの送受信をデジタル信号で実施する通信回線です。
音声データを信号に変えた後に伝達するため、無駄な音が入りにくい仕組みであり、比較的クリアな音声で通話可能です。
また、デジタル回線1つで2回線分使えます。
つまりインターネット検索しながら、電話できたりと回線を1つ使いながら同時に事務作業が可能です。
このような理由から、オフィスをメインに多くのデジタル回線が使用されています。
また、デジタル信号の使用により、アナログ回線と比べ高いセキュリティ機能を持っています。
光回線・IP電話
比較的新しい回線であり、光回線・光ファイバーを使います。
回線1つで複数の通話が可能なため、オフィスで利用する電話回線として多く使われています。
インターネット回線を使い低料金で使えることを理由に、急速に普及した回線です。
一方、IP電話ではインターネットプロトコルと呼ばれる技術を使いインターネット回線を使い通話するサービスです。
通話にかかる料金が安く、オフィスの電話回線で高い人気があります。
オフィス向け電話回線の利用で必要なもの
オフィス向け電話回線の利用で必要なものは、以下の通りです。
インターネット回線
名前の通りインターネット接続のために必要になる回線です。
ネットにつなぐことにより画像やテキストといったデータのやり取りが可能です。
オフィスで使われる回線種類では、前述した光回線などがあります。
LAN回線・ルーター
LANは、限られたエリアで使えるネットワークであり、回線を繋ぐことによりPCとプリンターといった機器に接続可能です。
ケーブルを使用し接続する有線LANと電波により接続する無線LANの2つの種類があります。
Wi-Fiは、違うメーカー機器間の無線LANが繋げるようになる規格であり、無線LANを接続するためにルーターは不可欠のため、ルーターとLAN回線はセットで準備する必要があります。
VPN接続サービス
VPN接続とは、仮想で専用線を定め通信を安全に行えるサービスです。
プロセスを3段階踏むことにより安全性の高い通信を可能にしています。
オフィス内に限らず支社間での通信や在宅勤務、モバイル端末での使用も対応可能であり、場所が離れていても安全に社内システムやサーバーにアクセス可能です。
インターネットサービスプロバイダ
インターネット接続するためには、回線を準備した上でプロバイダと契約しなければなりません。
理由は、回線提供は回線事業者が行い、実際にネットにつなぐ役割を果たすのはプロバイダだからです。
しかし、中にはインターネット接続と通信回線をセットで提供する事業者もあり、そのような業者と契約した方が、時間や費用が抑えられる可能性が高いです。
電話回線
電話交換機と電話機をつなぐ回線です。
電話回線では、アナログ回線・デジタル回線・光回線などさまざまな種類があり、アナログ・デジタル回線で使うのは同じ電話回線ですが、信号の種類が異なります。
光回線では、光ファイバーを使った電話が可能です。
通信機器
電話やパソコン、プリンターといったデータ通信ができる機器のことです。
その他にもタブレット端末やFAX、スマートフォン、モニター機器などさまざまな機器があるため、オフィス業務で必要となる通信機器を準備しましょう。
通信機器の台数が知りたい場合、フロア数や従業員数などを利用し計算します。
通信機器の台数や種類をあらかじめ明確にすることで、スムーズに通信環境を構築できます。
オンラインストレージサービス
契約することで、クラウド上でデータ保存できるため、オフィス内外関係なくデータ共有が可能です。
そのため、時差出勤や在宅勤務を取り入れているオフィスの場合にも、データ共有できます。
インターネット環境さえ構築されていればスムーズに取り入れられ、必要容量を選定し契約可能ですので、情報管理コストが減らせます。
各サービスの料金や容量を比べた上で判断しましょう。
インターネットセキュリティサービス
導入することで、ウイルス検出や除去が可能です。
そのため、オフィスで顧客の情報を取り扱う際には必ず導入しましょう。
多数のセキュリティ機能を持った統合型脅威管理とも呼ばれるUTMは、ウイルスがネットワークに侵入したり、ハッキングされたりする対策を実施してくれます。
顧客情報を扱う企業に関係なく、情報が漏えいしてしまったなどの事態を防ぐためにも導入するようにしましょう。
オフィスでの電話回線の導入の流れ
オフィスでの電話回線の導入の流れは、以下の通りです。
種類を選ぶ
使う電話機種類を選びます。
現在は電話機種類の選択肢が多くあり、PCやタブレットなどのソフトフォン、スマートフォン、オフィス用電話機の3種類から選べます。
企業の業種や規模を考慮し、自社に最適な種類の電話機を選びましょう。
近年では、業務用端末としてスマートフォンなどを利用する企業も多く、電話機が必ず必要になるとは限りません。
外出する機会が多い場合であれば、持ち歩き可能な携帯端末が適しています。
クラウド型かオンプレミス型か決める
クラウド型かオンプレミス型か決めます。
クラウド型とは、インターネット回線を使って、システムをネット上のクラウドから借りて使う形式です。
運用コストや導入コストが安い、転送や保留機能が機器を使わず利用できる、短い納期で導入できるメリットがあります。
ソフトフォンやスマートフォンをオフィス用の電話機で使いたいのであれば、クラウド型を選ぶ必要があります。
一方で、オンプレミス型とはオフィスにサーバーや電話機、交換機などを設けて使う形態のことです。
一般的にこれまでのオフィスではこの形態が主な手法でした。
優れたカスタマイズ性を備えているだけでなく、セキュリティ面も厳重な特徴があります。
しかし、コストが高かったり、メンテナンスに手間がかかったりなどデメリットもあります。
クラウド型にもオンプレミス型にも、それぞれメリット・デメリットが存在しますので、しっかりと理解した上でどちらを使うか選ぶようにしましょう。
工事業者およびベンダーの選定
信頼のおける工事業者およびベンダーの選定は重要なポイントです。
工事業者であれば、工事するために必要な免許をしっかりと持っているか、分かりやすい見積書になっているか、事前打ち合わせは細かくされているかなど必ず確認するようにしましょう。
クラウドPBXであれば、豊富な利用実績があるか、サービスはどの程度の規模のオフィス向けかなど確認しておく必要があります。
トライアル可能なサービスも多数ありますので、試したうえで検討してもよいでしょう。
オフィスのレイアウト
オフィスに電話機を設置するには、配線や機器を設置する場所によってレイアウトを考える必要があります。
工事業者と確認しつつレイアウトを考えましょう。
なお、配線や機器が必要ないクラウドPBXでは、レイアウトの自由度も高くなります。
工事
クラウドPBXの場合、ネット回線工事に限り必要になります。
電話回線を導入する際は、電話機および交換機の設置に関係する電話工事と、回線を通すための回線工事を行わなければなりません。
工事を行う前には打ち合わせや事前調査も必要になるため、期間に余裕を持ち進める必要があります。
電話回線を利用するメリット
電話回線を利用するメリットは、以下5つです。
BCP対策に効果的
PBXにおいては、スマートフォンを内線化でき、社外から発信する際に会社代表番号で電話がかけられます。
そのため、内線電話を利用すれば、事業所のある建物や地域が被災した場合にも連絡が可能です。
災害が発生した際には、取引先や顧客から問い合わせが殺到することもあります。
外線と内線を組み合わせて使ったり、スマートフォンから会社代表番号に宛てた電話を受けたりできるため、受電が急増した場合でも柔軟な対応が可能です。
回線契約数を限定すれば基本料金が削減できる
オフィスで利用する電話機は、主装置を利用し番号や回線が共有できます。
そのため、必要最低限の電話回線契約で済みます。
例えば、5階建ての事務所で、それぞれの階に1台ずつ電話機を置く場合、家庭用の電話機であれば、それぞれの階で回線契約することが必要です。
そのため家庭用電話機を使いたければ、5本分の回線で基本料金がかかります。
しかし、オフィス用電話機を使うことで、5台の発着信が1回線でも可能になるため、回線にかかる基本料金が削減できます。
転送機能で業務が効率化できる
受電した電話を別の電話に送れる転送機能を使うことにより、社員間のコミュニケーションや顧客への対応が迅速にできます。
会社代表番号に向けた着信では、社内にあるデスクのどこで受電するか分からないため、内線が使えない企業の場合、担当者に電話を取り次ぐ時に時間がかかってしまいます。
その一方で内線を使っていれば、外線がきた電話機から担当者に直接着信が転送可能なため、迅速な対応が可能です。
万が一担当者がいない場合でも、相手にそのことをすぐ伝えられます。
社内コミュニケーションにかかるコストを減らせる
構内に設置した電話機同士で通話する場合、月額利用料がかかりません。
理由は、構内における内線はインターネット回線や公衆電話網でなく、社内に構築されているネットワークを使い通話を行うからです。
内線を使うことにより、従業員間の通話で発生するコストを減らせます。
また、通話料が発生しないことにより、内線を利用する頻度が増加し、社内の連絡を迅速にできます。
1つの電話番号で複数の外線の受発信が可能
家庭で使われる電話機であれば、1つの回線で1台の機器に限り発着信可能です。
そのため、家庭で使われている電話機の場合は、他の従業員が取引先や顧客と話している際は受診しても応答できません。
しかし、オフィス用電話機であれば、1つの回線で複数の機器で発着信可能なため、他の従業員が通話していても、別の機器で取引先や顧客と連絡できます。
そのため、オフィス用電話機を利用すれば、取引先や顧客を待たせずに対応可能なため、ビジネスチャンスを逃してしまったり、顧客満足度が下がってしまったりといったリスクを減らせます。
オフィスの電話回線 まとめ
オフィスでの電話回線の選び方とは?種類や選ぶポイントについて理解して頂けましたでしょうか。
オフィスの電話回線を選ぶポイントには、回線の種類や必要な機能は搭載されているのかといったことがあります。
また、オフィス向け電話回線を利用することで、回線契約数を限定すれば基本料金が削減できたり、1つの電話番号で複数の外線の受発信が可能だったりといったメリットが受けられます。
当記事で紹介した選定のポイントや導入の流れを参考にしていただければ、自社にあった際的な電話回線の導入ができるかと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
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