2022.06.28 セールス

何ができる?選び方は?顧客管理システム(CRM)の基礎基本

顧客管理システム(CRM)の基礎基本 ロゴ

 

ビジネスを進める上で大事な顧客情報を、Excelで管理している企業は多いです。
しかし、近年は、さまざまな顧客管理システムが開発されています。従来のExcelから顧客管理システムへと変更する企業が増えている現状です。

顧客管理システムは、効果的に使えばビジネスの推進力を高めてくれます。ただし、顧客管理システムとは何か、何ができるのかを理解しないまま導入するのは要注意です。導入のコストだけがかかり、期待する効果が得られない可能性があります。

この記事では、顧客管理システムとは何か、何ができるのかといった基礎から解説します。失敗しない選び方も合わせて紹介するので、この機会に顧客管理システムへの理解を深めてください。

顧客管理システム(CRM)とは

顧客管理システムとは、企業が有する顧客情報を一元管理できるシステムです。顧客情報は、顧客の氏名や住所、電話番号、所属する会社名、商品やサービスの購入履歴など、顧客に関するあらゆる情報のことを指します。

CRMは「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略称です。 CRMは、顧客情報を適切に管理することで顧客との良好な関係性を築き、収益に繋げる活動を指します。顧客管理システムをCRMと呼ぶこともあります。

つまり、顧客管理システムは、一元管理している顧客情報を顧客との関係性を深めるために活用し、収益に繋げるためのツールです。

顧客管理システムでできること

顧客管理システムでは、具体的にどのようなことができるのでしょうか。ここでは、あらゆる顧客管理システムに共通してできることを紹介します。できることは、大きく「顧客情報の蓄積」と「顧客情報の活用」に分けられます。

まずは、顧客情報の蓄積です。あらゆる顧客情報を一元管理できるデータベースとして利用できます。

蓄積する顧客情報の例)

・担当者の個人情報、企業の財務状況
・商談履歴、問い合わせ対応履歴
・名刺情報
・提案資料や契約書など

上記のような顧客情報を蓄積しておけば、自社の担当者が変わっても顧客情報の引き継ぎがスムーズです。必要な時に必要な情報を取り出せるので、顧客からの問い合わせにも対応しやすくなります。

次に、顧客情報の活用です。蓄積した顧客情報を分析し、新規顧客の獲得や既存顧客の維持に向けた活動に役立ちます。

顧客情報活用の例)

・メールマガジンの配信
配信内容に合わせた顧客のみを絞り込んでメールを配信できます。

・アンケートの実施
アンケート結果に基づいた情報発信や顧客対応の最適化を図れます。

ここでは、顧客管理システムでできる主なことを紹介しました。実際には、自社に適する機能をカスタマイズできることが多いです。顧客管理システムを選ぶ際には、どのような機能を備えられるのか、システムごとの特徴を詳しく調べてみてください。

失敗しない顧客管理システムの選び方

顧客管理システムには、製品ごとにあらゆる特徴があります。そのため、自社に適する製品選びをすることが大切です。ここでは、失敗しない顧客管理システムの選び方として、5つのポイントを紹介します。顧客管理システムをどのように選べばよいか迷っている方は、検討するヒントにしてください。

・自社の課題と導入目的を明確にする

顧客管理システムの導入を検討中ということは、現在の顧客管理に何らかの課題があるということです。抱えている課題が何かを洗い出し、導入の目的を明確にしましょう。自社の課題と導入目的が明確になれば、どのような顧客管理システムの機能が必要かが見えてきます。顧客管理システムを選ぶ際の判断軸となるので、必ず押さえておきたいポイントです。

・導入形態を決める

顧客管理システムの導入形態には、オンプレミス型とクラウド型があります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、比較検討して自社に適する方を選びましょう。

・オンプレミス型

概要)自社でサーバーを保有し、顧客管理システムを構築する
メリット)セキュリティが高い、カスタマイズの柔軟性が高い
デメリット)導入・運用コストが高い

・クラウド型

概要)自社でサーバーを保有せず、インターネット上で顧客管理システムを利用する
メリット)低コストかつスピーディーに導入できる
デメリット)カスタマイズの柔軟性が低い

・現場部門で運用しやすいかを検討する

顧客管理システムが、現場部門にとって運用しやすいかを検討してください。あらゆる機能が搭載されている顧客管理システムでも、使いこなせなければ宝の持ち腐れです。現場の社員にとって運用しづらい顧客管理システムは、結果として顧客情報の蓄積や活用がされない可能性があります。システムの導入担当者は、実際に運用する現場部門の声を聞きましょう。

・導入や運用のサポートを確認する

顧客管理システムをスムーズに運用するためには、導入と運用のサポートがあると安心です。顧客管理システムの提供会社の中には、問い合わせ窓口を用意していたり、現場部門への説明会を行ってくれたりするところもあります。積極的に活用して、顧客管理システム運用の軌道に乗せましょう。

・費用対効果を検討する

顧客管理システムを導入すると、導入のための初期費用と、運用のためのランニングコストがかかります。初期費用とランニングコストの総額を洗い出し、費用対効果を検討してください。初期費用を無料として導入のハードルを下げる提供会社もありますが、ランニングコストの存在を忘れないでおきましょう。

業種別導入事例

顧客管理システムは、どのような業種で使われているのでしょうか。ここでは、顧客管理システムが使われている業種を、主な管理項目と合わせて紹介します。
 

業種 主な管理項目
不動産・住宅販売 所得層、家族構成、持家区分
レストラン・飲食店・飲食業 来店履歴、お食事履歴
通販・EC 購入履歴、コールセンターへの問い合わせ履歴
アパレル 購入履歴、メンバーズポイントの付与
ホテル・旅館 宿泊履歴、対応履歴、顧客の好み
建築会社 案件進捗履歴、 対応履歴

 

BtoBでもBtoCでも、顧客との関係性を強化して売上に繋げるためには、顧客との接点(対応履歴)を記録・活用することが重要です。顧客管理システムなら、電話の履歴や会話内容(音声やテキスト)も蓄積できます。これらの情報を自社で共有できるので、対応する拠点や担当者が変わってもスムーズに対応できます。

顧客管理システム(CRM)の基礎基本 まとめ

この記事では、顧客管理システムとは何かやできること、失敗しない選び方、業種別の導入例を紹介しました。顧客との関係性を強化し、売上に繋げるためには、自社と顧客との接点(応対履歴)を記録・活用することが重要なポイントです。

顧客管理システムは、顧客の基本情報だけでなく、店頭や電話でどのようなやり取りをしたかも一元管理できます。ぜひ、自社の課題や導入目的を明確にして、最適な顧客管理システムを選んでください。